Softwind's diary

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地球温暖化とステファン・ボルツマン方程式 その2

地球温暖化とステファン・ボルツマン方程式 その2

  地球温暖化を議論するとき、必ず出てくるのがステファン・ボルツマン方程式である。地球の表面温度は太陽の熱放射により地球に届く熱エネルギーEsと地球から外部への熱放射による熱エネルギーEeの平衡で成り立っていると考えられている。地球を宇宙空間に存在する黒体とみなせば、太陽放射により暖められた地球は宇宙空間に熱放射をしているので、その熱量がわかれば地球の地表温度Tがわかるはずで、これはステファン・ボルツマン方程式から求められている。地球温暖化問題はこの熱量の差を議論するものともいえるのであり、地球が完全な黒体であるときと、大気があるときの平均温度差が理想的な場合とどれだけずれているかが、地球温暖化を評価する基準となり、その原因を二酸化炭素増加や人口増加あるいは太陽活動説などに起因させるのが地球温暖化問題といえる。いま、簡単に計算すると

(1)もし地球に大気がなくて完全な黒体であるとする:
  単位面積当たりの地球が受ける太陽エネルギーEsは地球から宇宙空間への単位面積当たりのエネルギーEeに等しいと考えられるので
            Es=Ee                  (1)
と得られる。地球の平均反射率(アルベドともいう)をa、地球受ける単位面積あたりの太陽エネルギーをS0、ステファン・ボルツマン定数をσ、地表の絶対温度T、絶対温度TはT=273+t(℃)で単位はKである。
           (1-a)S0=σT∧4                 (2)
が成り立つ。ちょっと、ややこしくてすみません。ここでa=0.3あるいは0.33とかが使われているので。T4は4乗です。その1では説明していなかったのでごめんなさい。S0は342 W/m2で、σ=5.67×10-8 W/m2 (m2はmの2乗です)を代入すると
                         t=254-273 = -19 ℃
と得られる。つまり、大気がないとした場合には地球表面の平均温度は約-19 ℃と通常では人が住めない気温となるのである。このような方法により、火星や月や水星などの惑星の表面温度を推定することができる。
(2)地球に大気がある場合は、観測により地表付近の平均気温は288 K(摂氏でいうと15℃である)なので
          288-254=34 ℃
となる。地表の温度は15℃であるはずなのに、実際は34℃であるというのは地球の大気による温室効果によるものと考えられている。ちょっとわかりにくいので、図1を参照してください。

図1に、地表と大気のおおよそのエネルギーバランスを示します。今問題になっているのは太陽の放射熱、地球にとどく熱は昔も今も変わらないはずです。太陽は紫外線や赤外線や可視光線マイクロ波のほかにX線ガンマ線などいろいろあります。地表に届くのは一部で、大気が吸収した赤外線は水H2OやCO2などを励起しこれが基底状態に戻るとき、先ほど述べたようにエネルギーを地表や大気外に放射し、大気は熱を吸収し地表面は暖かくなる。このときCO2が放出する赤外線の波長は10μmのが主成分である。また、地表からも大気に向かって多量のエネルギーが放射される。この赤外線はちょうどCO2を励起する波長であり、図2に示すように、CO2などの温室効果ガスは再びエネルギーの吸収と放射を行うことになる。CO2のエネルギー放出と吸収は何時から何時までが吸収で何時から何時までは放出でという、離散的には起きず、吸収と放出が混じった状態となる。なのでCO2が増えれば増えるほど地表面は暖かくなってくる。

 CO2の目標値を500ppmとして、ブログ筆者が計算したところ約5.8×E+15 kcal/地球大気となり、先ほどの結果との差は5.8×E+15 kcal/地球大気-1.15×E+15 kcal/地球大気=4.66×10∧15 kcal/地球大気の熱が増加することになる。もちろん平均しての値ということである。CO2が赤外線10-25μmの波長の光を吸収すると振動し始めます。そして、元の状態(基底状態)にもどるとき10-25μmの波長の光を放出しますが、これが熱に相当する光になります。私たちが熱を感じるのは、空気中の分子運動が激しくなり、体表面に分布する温点と呼ばれる受容器に衝突することにより温熱中枢を亢進したり、赤外線がその受容器に作用し、赤外吸収による分子振動により温熱中枢を刺激することにより暑さを感じることなどがあげられます。結局、CO2が増えれば地球表面が熱くなることになります。

 産業革命以来気温は約1.0 ℃高くなっているとの結果なので、単位あたりに受ける太陽エネルギーの増加として計算して求めW/m2(mの2乗)をcal単位に変えると約 0.0111 cal/cm2・min熱量が増加しているとみなすことができる。これが、主に二酸化炭素CO2増加分による地球温暖化による気温上昇に関与していると考えられる。しかし、CO2の排出量増加だけでは地球温暖化を説明できないという考え方も大切で、いろいろな説や考え方も提案されている。大気の組成を見た場合、CO2は300 ppmつまり、0.03%とかいてある。しかし、最近では400 ppmに上昇しているというデータもある。これは0.04%である。結局は、地球環境をよごすことが温暖化につながることであり、ブログ筆者もエコに気をつける今日この頃である。
 地表の平均気温を求めるのは、人工衛星による観測が進み、精度も良くなっている。平均気温が上昇しているのかどうか。今後正確なデータがでてくると思われる。

 

*図2はNetからコピーしたものを使いました。