Softwind's diary

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ブログ筆者の不織布マスクの洗浄方法-マスクのミステリー (Mask mystery)-マスクはどこだ?

ブログ筆者の不織布マスクの洗浄方法-マスクのミステリー (Mask mystery)-マスクはどこだ?

 

(i)マスクの製造数

日本をはじめ世界中が中国の武漢に発した新型肺炎コロナウィルス(SARS-CoV-2)の感染拡大により、私たちは重度の場合もある肺炎症(COVID-19)の脅威にさらされています。 TOKYO2020が延期された東京でも新型肺炎コロナウィルスの感染拡大を防止しようと拡大阻止に向け誰もが一丸となって取り組んでいる今日この頃です。 インフルエンザウィルスAやB型の場合、抗ウィルス薬のタミフルなどのおかげで、重症化せず大半が治癒しますが、 新型肺炎コロナウィルスの場合、まだ抗新型肺炎コロナウィルス薬や新型肺炎コロナウィルスワクチンは開発されていないため、治療薬が臨床で使われるようになるまでは、まだ時間が必要で収束は難しいでしょう。 同じコロナウィルスのSARS(2003)やMARS(2009)の抗ワクチンや抗ウィルス薬が未だ開発されていないのでSARS-CoV-2(2019)のワクチンや抗ウィルス薬開発もそんなに簡単に短時間には開発できないかもしれません。

私たちの身近な感染防止拡大防止策は手洗いうがいマスクや東京都が打ち出したNO!3密などでしょう。 また、日本では毎日のお風呂、洗髪、花粉症などで日頃マスクをする習慣、きれいなトイレ、玄関でクツを脱ぐなど清潔な日常生活を送っているため、爆発的な感染者数の拡大はないとも思われる。 しかし、マスクについてはこの2-3ヶ月、町のドラッグストアやスーパーなどに買いに行っても手に入らない状況が続いている。 国を挙げてマスクの製造数を大幅に増やしているにもかかわらず品薄なのはなぜだろうか。 2018年度の日本におけるマスク製造数や在庫について、日本衛生材料工業連合会の発表している次のデータから考えてみよう。 おそらく2019年度も同じようなデータと考えられる。

  

マスク(一般用)    国内在庫         2018年度    6.83億枚

マスク(工業、医療、一般)  国内在庫      2018年度    8.73億枚

マスク(工業、医療、一般)  国内製造数     2018年度    11.11億枚

マスク(工業、医療、一般)国内マスク総数(国内製造+海外製造数)2018年度       

                                55.38億枚

                    日本衛生材料工業連合会のデータ1)

 

このデータから、2018年度に販売された工業、医療、一般用マスクの総数は55.38-8.73=46.65億枚となる。 これから1ヶ月の割合を計算すると約4億枚となる。 もちろん季節によりマスクの使用頻度は異なるので、4億枚という数字はあくまでも月平均とした値であるとみてほしい。また、日本国内での1ヶ月の工業、医療、一般用マスクの製造可能な枚数を推算すると、

                       11.11/12=0.926億枚

日本国内で製造可能なマスクの枚数は1ヶ月に約9300万枚となる。 まだデータは公表されていないが2019年度もほぼ同じ9300万枚前後と思われる。 それでは平常年と新型コロナウィルス感染拡大の年ではどれくらいマスクが必要か概算してみたいと思います。

新型コロナウィルス感染拡大の年2020年の1ヶ月を考えると、3歳児までマスクをしないとして約380万人(平成30年度総務省統計局データ2)を解析)を引くと

               127000000-3800000=123200000

約1.23億人なので全員がマスク1人1枚として、2020年も新年から新型コロナウィルス感染は考えていなかったことなので2020年は本当は平常年でありで1ヶ月に0.926億枚のマスクしか製造されているはずである。 ところが、

               0.926-1.23=-0.304億枚

つまり、3040万枚不足していることになる。 つまり単純計算で3040万人はマスクが手に入らないことになる。 現在の新型肺炎コロナウィルスによるマスク不足は、 国内企業がコストダウンのため海外に生産拠点を持って生産しても、日本国内への輸入や移入を制限されたら、このようなことが起こることは誰でも予見できたことである。 しかもこれは月1回使用したとする枚数であるから、 1人が月に20枚使用するとすると

3040×20=6.08億枚/月 

不足することになる。 さらに、1人が一日に1枚使用すると月30枚使用するとして

                   1.23×30=36.9億枚/月

と、膨大な枚数になる。もちろんディスポのマスクを考えている。 不足数

                   0.304×30=9.1億枚/月

と、やはり膨大な数である。 1年間の在庫数6.83億枚を全数配分できても、国内製造分や在庫分を足したとしても不足なのである。

現在不足している理由は、 買い占めや売り渋りではなく、今まで使用していない多くの人々が急に短期間で使用するようになったためであると考えられる。 もちろん輸入や移入分が滞っていなくても、不足することになる。

平常時の国内でのマスク製造量は、1ヶ月で1人が20枚使うとして何人にマスクが行き渡るかを推算すると

              0.926= M × 20

                 M=約500万人

1ヶ月で1人が5枚使うとして、約1850万人にマスクが行き渡る推算になる。

つまり、海外からの輸入や移入が制限されている状態なら、平常時の国内生産量だけで1ヶ月で約500-1850万人分のマスクしか準備できていないことになる。 今が、その状態にあると言える。 

新型コロナウィルス感染拡大の渦中にあり平常時ではない現在、大多数の人がマスクを必要としている現在では、 1週間分で1人6枚必要とすると、

             1.23 × 6 = 7.38億枚

概算では約7億枚/週が必要となる。 例年、約500-1850万人分のマスクを供給出来る体制のようですので、 国内で週あるいは月7.4億枚の供給はかなり苦しいかなと思います。 ですので、月2-3億枚供給できても、一般のドラッグストアやスーパーにマスクを買いに行って、いつもマスクが販売されているようになるのは、今年の秋口までは無理かなと思われます。 そして、今後、海外からのマスク供給が増えれば2018年からの推算として海外からの分、1ヶ月に3.7億枚/月を上乗せできるが、新型肺炎コロナウィルス感染拡散の現在では、やはり1ヶ月として約20億枚不足になる。もちろん1.23億人が全員マスクをしてという推算です。 海外から2018年度分の割合でマスクが供給されたとしても、やはり、今年の秋口までは無理かなと思われます。 

 

 それでは、このマスクを生産あるいは販売する国内企業は多数ありますが、もともとマスクや衛生製品は、機械工業のような大きな業界ではないので、急な新規製造設備の拡大導入は難しいのかもしれません。

 

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図1 不織布繊維とガーゼの違いと一般的マスクの形状(ii)マスクの種類1)

マスクは(a)ガーゼマスク  (b)不織布マスク (c)サージカルマスク  (d)防毒(防護)マスクの4つに分類されます。 一般用マスクはガーゼマスクと不織布マスクで、ドラッグやスーパーでよく目にするのは不織布マスクではないでしょうか。 

各マスクの違いは

図1 不織布繊維とガーゼの違いと一般的マスクの形状(a)ガーゼマスク:天然繊維の織編物で、1枚のガーゼを12、18、24、30枚に折り重ねたもの。

(b)不織布マスク: 化学繊維からなり、化学繊維同士をシート状に重ねて作られる。 疎水性なので水をはじき、保温効果もたかい。 

(c) サージカルマスク: マスクをしているヒトから外気に微生物を排出しない。手術用。 

また、マスクの形状は

(a)平面型

(b)立体型

(c)プリーツ型

に分類される。 図1に日本衛生材料工業連合会からの図を示しました。プリーツ型のプリーツ(pleat)は日常ではあまり聞かない用語ですが、その意味は山折り谷折りのヒダという意味で、表面に折り目を付けヒダ状にしたマスクをプリーツ型マスクといいます。マスクをプリーツ加工する理由なのですが、①型崩れしにくい、②ヒダ折りの部分に空間が出来るので息がしやすい、③デザインがスマート、のほか、この業界ではヒダがある分伸びるので、鼻からあごまでフィットして隙間をなくして感染を防ぐ、が最も重要な理由としてあげていると思います。また、よく知られているように女性のスカートのプリーツと同じようにしなやかな感じがすると思います。 化学繊維を用いた不織布マスクは加熱で加工しやすいためプリーツが入れやすいと思われます。また、不織布マスクの洗濯は不向きですが、マスクが手に入らない現状ではガーゼや布マスク以外にも、洗浄して使わなくてはならないかもしれません。

 

(iii)ブログ筆者の不織布マスクの洗浄方法と不織布マスクの化学構造と性質

 不織布マスクは化学繊維つまり繊維状にしたプラスチックをシート状に重ねたものです。 一般的なポリプロピレンの構造を図2に示しました。 プロピレンを触媒TiCl3(三塩化チタン)を使って反応すると重合してポリプロピレン(PP)樹脂が得られる。これを紡糸して糸を作り繊維を作る(図2)。 また、スチレンの重合からポリスチレンを作り、紡糸して繊維化したPS製マスクも市販されています。

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図2 不織布マスクの原料となるポリプロピレンやポリスチレンの構造

マスクが手に入らない現状ですので、 使い捨てすると(元々はディスポでの使用となっています)無くなり、 当分は手に入りませんので、ブログ筆者は洗って使っています。 ガーゼマスクや布マスクと違い、 不織布マスクは洗浄使用は推奨されていないと思います。 ですので、ブログ筆者が行っている洗浄しよう方法です。トイレなどの洗浄剤はダメです。漂白剤もダメです。洗剤はチャーミーマジカかママレモンなどの食器洗剤がGoodです。キレイな洗面器にチャーミーマジカやママレモンを水道水で薄めた洗浄液を調製し、そこに不織布マスクを2-3時間ぐらい浸けておいて、たまに手もみします。浸けておくときマスクに気泡が残らないように、たまに手もみするわけです。 もし気泡(洗浄されない部分になる)が残っているとそこに新型コロナウィルスが運悪く洗浄されないで残っているかもしれないからです。成分は界面活性剤ですので、新型コロナウィルスはその活性を失います。その後、良く流水(水道水を弱く流しながら)水で7-8回くらい濯いでから風乾して使っています。良く濯ぐのは、マスクを乾燥した後、もしいた場合、不活化した新型コロナウィルスを流し去るのと、マスク表面にママレモンやチャーミーマジカの化学成分が残っていないようにするためです。 もし残っていたら、それを直接吸い込んでしまうからです、それを避けるために良く流水で洗浄します。 そして翌朝まで風乾します。高熱アイロンかけたら溶けますので、高熱アイロンは絶対にだめです。電子レンジで速乾しようとしましたが危険です。電子レンジで速乾は絶対やらないように。 PSマスクは有機溶媒に溶けます。高濃度アルコールもだめです。 それ以外では、PSマスクやPPマスクは優れたマスクと思います。 汚れもつきませんし、めだちません。 何回か洗浄していると、繊維のケバケバができて、肌に不快感を与える場合がありますので、 その場合は使用期限が過ぎたのだと思い(^^;)捨てています。 

はやく、スーパーやコンビニやドラッグストアで手に入るようにしてほしいですね。

 

参考資料

1)日本衛生材料工業連合会のデータ

2)平成30年度総務省統計局データ